「緑」の衝撃 〜戦い続けた少女たち

今回からは、欅坂46が出した作品を発売順に紹介していく。衝撃的なデビュー曲だった。

 1枚目シングル「サイレントマジョリティー」はまさに欅坂46を象徴する曲だ。聞いたことがある人も多いはずだ。ミュージックビデオの再生回数は

1.7億回(2022年7月)で欅坂46の作品の中でも最も多く再生されている。

 同じ軍服のような服を着た少女が鋭い目つきをして一糸乱れぬダンスを披露している。アイドルのダンスというのは基本的に手振りが多く、顔を強調して見せるものが多い。一方で欅坂46の場合は体全体で踊ることが多く、ダイナミックな振り付けが多い。また、デビューしたばかりでダンス未経験のメンバーが多くいたので、1つ1つの動き自体は簡単なものが多く、タイミングをずらして見せるようにしている。

 また、聞いている人の背中を押すような歌詞も魅力の1つだ。「ここにいる人の数だけ、道はある、自分の夢のほうに歩けばいい。」、このような力強い歌詞を表現するために激しいダンスと射抜くような表情をしている。

 ミュージックビデオも魅力的で渋谷の工事現場で撮影されている。今現在、その場所には大きなビルが建設されている。撮影の時期と工事のタイミングが奇跡的なタイミングで重なって撮影できたらしい。

 集団の中で声を上げて自分の意見を主張する。中々、難しいことかもしれないが、声を上げないと何も始まらない。曲の終盤で1人が拳を突き上げてそれに呼応するように他のメンバーが立ち上がる場面が一番この曲で印象に残っている。

「緑」の衝撃 〜戦い続けた少女たち

今回は前回紹介した欅坂46というグループの魅力について書いていく。

 「欅坂46はアイドルでありながら、アイドルではない。」一見、矛盾しているようだが、これが僕の初めて彼女たちを見たときの印象だった。僕が欅坂46を知ったきっかけはユーチューブのミュージックビデオだった。何気なく見ていたユーチューブで偶然、彼女たちの4枚目シングル「不協和音」が流れてきた。最初見たときはアイドルのミュージックビデオとは思えなかった。なぜかというと、とても激しいダンスや鋭い目つきをしていたからだ。僕がそれまでアイドルに持っていた印象は、笑顔を絶やさず、可愛いダンスをしているという印象だった。想像していたアイドル像とは真逆の印象だった。衝撃的だった。

人を射抜くような鋭い眼光に僕は魅了された。そして、もう1つ衝撃を受けたのは、

「歌詞」だ。「僕を抹殺してからいけよ」、「嫌われたって僕には僕の正義があるんだ。」、「ここで妥協したら死んだも同然、支配したいなら僕を倒してからいけよ」

他人に合わせず、自分を貫けと言われているようだった。これほどに強い歌詞を激しいダンスと表情で表現した世界に私は段々と惹かれていった。

「緑」の衝撃 〜戦い続けた少女たち 

私はあるアイドルグループが好きだ。と言っても、アイドル自体が好きなのではない。アイドル自体にはむしろ苦手意識を持っていた。そんなアイドルに苦手意識を持っていた私が好きになったグループは欅坂46というグループだ。タイトルの緑はグループのイメージカラーが緑だからだ。

 欅坂46とは2015年に結成されたグループで、2016年に「サイレントマジョリティー」でデビューして「不協和音」などの代表曲がある。デビューしたその年に紅白歌合戦出場や2016年時点での女性アーティストのデビューCD初週売上歴代1位を記録している。なお、現在は欅坂46は改名して櫻坂46と名称を改めている。